合同会社設立の登記申請書の書き方|記載例・見本を欄ごとに読み、社員1名の会社に置き換える

合同会社設立の登記申請書の書き方①:冒頭の商号・フリガナ・本店・登記の事由
合同会社設立の登記申請書は、表題の「合同会社設立登記申請書」のあとに、「1.」の番号を振った項目が縦に並ぶ形をしています。最初の4項目は、フリガナ、商号、本店、登記の事由です。どれも定款ですでに決めた内容を写す欄ですが、記載例の注記には、定款を写すだけでは分からない決まりが書かれているので、注記まで読んでから書き始めてください。
フリガナは、会社の種類を表す「合同会社」の部分を除き、片仮名で左に詰めて書きます。商号の途中に空白がある場合は、空白を取り除いた文字がフリガナとして登録されます。このフリガナは国税庁の法人番号公表サイトで公表されますが、登記事項証明書には表示されません。商号にローマ字を使う場合は、法務省の案内で使える符号が決められています。アンパサンドやハイフンなどの記号は字句を区切るときに限って使え、商号の先頭や末尾には置けません(ピリオドは省略を表すときに限り末尾も可)。
本店の欄には、定款の書き方にかかわらず、地番まで含めた所在場所を書きます。定款の本店を市区町村までにとどめた会社でも、申請書では「○丁目○番○号」まで省略せずに書く点に注意してください。登記の事由は、設立の場合は「設立の手続終了」と書きます。ここは会社ごとに変わらない定型の文言なので、記載例のとおりに写して構いません。
- フリガナ:「合同会社」を除いて片仮名・左詰め(空白は削除して登録)
- 商号:定款と同じ表記。ローマ字・記号の使い方に決まりがある
- 本店:所在場所まで(定款が市区町村までの場合も同じ)
- 登記の事由:設立の手続終了


書き方②:登記すべき事項の見出しと「社員に関する事項」を社員1名の会社で書く
登記すべき事項は、登記簿にそのまま記録される内容を、かぎかっこの見出しで区切って並べる欄です。記載例では「商号」「本店」「公告をする方法」「目的」「資本金の額」「社員に関する事項」「登記記録に関する事項」の順に並んでいます。法務省の案内でも、合同会社の設立で登記しなければならない事項として、目的、商号、本店、資本金の額、業務執行社員の氏名、代表社員の氏名と住所、公告方法の定めなどが挙げられています。
目的は、定款に書いた事業目的を番号付きでそのまま写します。記載例のように最後の号を「前各号に附帯する一切の事業」とする書き方が一般的です。公告をする方法は、定款で官報と定めていれば「官報に掲載してする。」と書きます。資本金の額は「金100万円」のように「金」を付けて書きます。登記記録に関する事項は、設立の場合「設立」です。
合同会社に特有で書き方に迷いやすいのが「社員に関する事項」です。記載例では、業務執行社員と代表社員を別々の「社員に関する事項」として書き、それぞれに「資格」を付けています。業務執行社員は氏名だけ、代表社員は住所と氏名を書く形です。社員が自分1人で、その人が業務執行社員であり代表社員でもある会社なら、同じ人の名前が「業務執行社員」と「代表社員」の2か所に出てくることになります。記載例の「職務執行者」の項目は、代表社員が法人の場合にだけ書くもので、個人が代表社員なら要りません。
登記すべき事項の「商号」「本店」「目的」は、定款・申請書の冒頭・印鑑届書と同じ表記でなければなりません。合同会社の登記簿は、この欄に書いた文字のとおりに作られるので、目的の句読点や本店の丁目・番地の表記まで定款と見比べてください。「本店」も、申請書の冒頭と同じく所在場所まで書きます。
- 「社員に関する事項」「資格」業務執行社員「氏名」(自分の氏名)
- 「社員に関する事項」「資格」代表社員「住所」(自分の住所)「氏名」(自分の氏名)
- 「職務執行者」は代表社員が法人のときだけ書く


出典:法務省:合同会社の設立手続について(第4-3 登記すべき事項)
書き方③:課税標準金額・登録免許税・添付書類の欄に書く数字と通数
登記すべき事項のあとは、課税標準金額、登録免許税、添付書類の3項目です。課税標準金額には資本金の額を書きます。登録免許税は資本金の額の1000分の7で、それが6万円に満たないときは6万円です。100円未満の端数が出たら切り捨てます。たとえば資本金が987万6,000円なら、1000分の7は6万9,132円で、端数を切り捨てた6万9,100円が税額になります。資本金が約857万円以下なら、計算するまでもなく6万円です。
登録免許税は収入印紙か領収証書で納め、収入印紙は申請書とは別の収入印紙貼付台紙に貼ります。書面で申請する場合の納め方として、法務省の案内でも登録免許税額分の収入印紙を貼るよう書かれています。私の場合は資本金100万円だったので、登録免許税は最低額の6万円でした。
添付書類の欄は、書類名と通数を「定款 1通」のように1行ずつ書きます。記載例には、定款、決定書、就任承諾書、代表社員が法人の場合の書面、払込みがあったことを証する書面、資本金の額の計上に関する証明書、委任状が並んでいますが、ここは実際に付ける書類だけを残して、ほかの行は消してください。金銭出資のみなら資本金の額の計上に関する証明書は不要で、自分で申請するなら委任状も要りません。私の場合は代表社員を定款で定めていたので、就任承諾書は付けていません。
定款を電子定款で作った合同会社が紙の申請書で申請するときは、添付書類の欄に書く定款は、紙に印刷したものではなく、定款のデータと電子署名・電子証明書をCD-Rなどに記録したものになります。法務省は、添付書面が電磁的記録で作られているときはその内容を記録したCD-R等を添付する必要があると案内しています(商業登記法第19条の2)。欄の書き方は同じでも、付ける物が変わる点に注意してください。


4書き方④:申請年月日・申請人・代表社員・連絡先・提出先の欄
申請書の最後は、「上記のとおり登記の申請をします。」という一文のあとに、申請年月日、本店、申請人(商号)、代表社員の住所と氏名、連絡先の電話番号、提出先の法務局名を書く部分です。記載例では、本店と申請人の商号を並べ、その下に代表社員の住所と氏名を書き、代表社員の名前の横に押印する形になっています。
ここで押す印鑑は、印鑑届書で法務局に届け出る合同会社の印鑑です。個人の認印や実印ではないので注意してください。書面で申請する合同会社は、この申請書といっしょに印鑑届書も出すことになります。代理人に申請を頼む場合は、代理人の住所と氏名を書いて代理人の印鑑を押し、代表社員の押印は要りません。連絡先の電話番号は、書類に不備があったときに法務局から連絡が来る番号なので、日中につながる番号を書きます。
提出先は「○○法務局 ○○支局(出張所) 御中」の形で、本店所在地を管轄する登記所の名前を書きます。管轄は市区町村ごとに分かれているので、法務局の「管轄のご案内」で本店を置く場所の担当を調べてから書いてください。申請年月日には、実際に提出する日を書くのが基本です。会社の設立年月日は法務局が申請を受け付けた日になるため、この欄の日付は設立日と結びつきます。郵送で出す場合は、法務局に届いて受け付けられた日が設立日になる点も頭に入れておいてください。
- 申請年月日:実際に提出する日(受付日が設立年月日になる)
- 本店・申請人:本店の所在場所と商号
- 代表社員:住所・氏名+法務局に届け出る会社の印鑑
- 連絡先の電話番号:日中につながる番号
- 提出先:本店所在地を管轄する法務局・支局・出張所 御中


出典:法務局:管轄のご案内
つまずきやすい所①:記載例・見本の「代表社員は法人・社員2名」をそのまま写してしまう
合同会社設立の登記申請書の書き方で一番つまずきやすいのは、記載例の設定と自分の会社の設定が違うことです。現在の法務局の記載例は、株式会社が代表社員になり、個人がもう1人の業務執行社員になる、社員2名の合同会社を例にしています。そのため、申請書の中に「職務執行者」「登記事項証明書 添付省略(会社法人等番号)」「職務執行者の選任に関する書面」といった、個人1名の会社には関係のない記述が入っています。
見本をそのまま写すと、存在しない書類を添付書類の欄に書いたり、代表社員の欄に職務執行者の行を残したりしてしまいます。読み替えのこつは、記載例の注記にある「代表社員が法人である場合には」「業務執行社員が法人である場合には」という条件文を探し、その条件に当てはまらなければ、その下の行をまとめて消すことです。法務局のサイトには「代表社員が法人でない場合」の添付書面の説明ページもあり、個人が代表社員になる場合に要る書類はこちらのほうが読み取りやすくなっています。
もう一つの読み替えは、資本金の額です。記載例は資本金500万円で、登録免許税の欄は最低額の6万円になっています。自分の資本金で計算し直さずに「6万円」を写すと、資本金が約857万円を超える会社では税額が足りなくなります。数字の欄は、見本の値ではなく自分の会社の値から計算し直す欄だと考えてください。
検索で見つかる見本には、株式会社の設立登記申請書も多く混ざっています。株式会社の見本には取締役に関する記載があり、登録免許税の最低額も15万円です。合同会社の申請書には取締役の欄はなく、登録免許税の最低額は6万円なので、見本の表題が「合同会社設立登記申請書」になっているかを最初に確かめてください。


つまずきやすい所②:書き損じの訂正、ページが増えたときの契印
申請書を書いたあとで誤りに気づくことは珍しくありません。合同会社の申請書をWordの様式で作っていれば印刷し直すのが一番ですが、押印後や窓口で気づいた場合は訂正で対応します。法務局の申請書様式ページでは、訂正したい文字を二重線で消し、その近くに正しい文字を書いて押印する方法が示されています。押す印鑑は、申請書なら申請書に押した印鑑、添付書類ならその書類に押した印鑑です。「何字削除何字加入」と書き添えてもよいとされています。
避けたいのは、修正液や修正テープで消すこと、訂正した部分を塗りつぶして読めなくすることです。同じページで、これらは使わないよう明記されています。合同会社の設立を自分で進める人は、申請書に押す会社の印鑑を窓口にも持って行くと、その場で訂正が必要になったときに対応しやすくなります。
登記すべき事項を申請書に直接書くと、目的が多い会社などでは申請書が2枚以上になります。収入印紙貼付台紙を含めて2枚以上になる場合は、申請書に押印した人が各ページのつづり目に契印をします。契印の印鑑も、申請書に押した印鑑と同じものを使います。見本は1枚に収まっているように見えても、自分の会社では枚数が増えることがあるので、印刷したら枚数を数えて契印の要否を確かめてください。
- 訂正:二重線+正しい文字+押印(申請書に押した印鑑)
- 修正液・修正テープ・塗りつぶしは使わない
- 2枚以上(台紙を含む)になったら、つづり目に契印
- 契印の印鑑は申請書に押した印鑑と同じもの


出典:法務局:商業・法人登記の申請書様式(申請で間違いやすいチェックポイント)
判断が必要な所:登記申請書の書き方では決まらない「資本金の額」と「申請する日」
登記申請書の書き方は、記載例と注記を読めば手順として進められます。一方で、申請書に書く値のうち、資本金の額と申請年月日は、書き方ではなく判断で決まる項目です。資本金の額は定款で決めた金額を写すだけですが、その金額をいくらにするかは、登録免許税のほか、消費税の扱いにも関わります。
国税庁の案内では、設立したばかりで基準期間がない事業年度でも、その事業年度開始の日の資本金の額が1,000万円以上なら、消費税の納税義務は免除されないとされています(No.6531 で2026年10月17日に確認)。申請書の課税標準金額の欄は、この判断が終わってから埋める欄だと考えてください。資本金の額を手元の資金とのバランスでどう決めるかは、本を読んでも一つの答えは出ません。
申請する日も、設立年月日になるという意味で判断を含みます。設立日は最初の事業年度の始まりになるため、いつ申請するかで、定款で決めた事業年度の終わりまでの長さが変わります。社員が複数いる場合や、現物出資がある場合の書き方については、私は該当しなかったため実体験はありませんが、制度上は添付書類も記載事項も増えます。迷う場合は、税理士や司法書士、管轄の法務局の登記相談で確認してください。


出典:国税庁:No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき
まとめ:合同会社設立の登記申請書を、自分で書く場合と専門家に頼む場合
合同会社設立の登記申請書の書き方は、冒頭の4項目、登記すべき事項、税と添付書類、末尾の申請人欄という4つのまとまりで考えると整理できます。どの欄も、定款で決めた内容を記載例の形に合わせて写すのが基本です。気をつけたいのは、見本の会社が「代表社員は法人・社員2名・資本金500万円」という設定であることで、条件文の下の行を消し、数字を自分の会社で計算し直せば、社員1名の会社の申請書になります。
自分で書く場合は、報酬がかからない代わりに、記載例を読み替える時間と、補正の連絡に対応する手間がかかります。司法書士に頼む場合は、報酬がかかる代わりに、申請書と添付書類の作成から申請までを任せられます。報酬は事務所ごとに決められているので、見積もりで内訳を確かめてください。社員の人数や出資の内容、平日に法務局へ行ける時間によって向き不向きが変わるため、どちらがよいとは言い切れません。参考までに、金銭出資のみ・代表社員1名で窓口に持参した私の場合は、補正の連絡はなく、申請から約1週間で登記が完了しました。
当サイトでは、判断が必要な部分を相談したい人向けに、会計事務所SoVaの「士業伴走プラン」を紹介しています。設立サポート手数料は0円ですが、設立後の顧問契約(月1.5万円〜)が前提です。遷移先のページには「自分でやるより最大14.5万円お得」という比較も載っていますが、この数字の出典は遷移先のサービスページで、顧問契約を結ぶことが条件です。最新の料金と条件は必ず公式ページで確認してください。


他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
- 「合同会社設立 登記申請書」を調べている人の参考になればと紹介したいのが、登記申請書の記載例と様式のダウンロード方法を紹介している記事。
- 運営:弥生
「合同会社設立 登記申請書」を検討している人にも読んでほしいのが、変更登記の申請期限と、期限を過ぎた場合の扱いについて説明した解説記事。
「合同会社設立 登記申請書」を検討している人にも読んでほしいのが、本店移転にあたって必要な社内の決定と、登記後に続く届出まで整理した記事。
サイトを開く →「合同会社設立 登記申請書」を検索する過程で参考にしたのが、設立の期間と費用、定款の記載内容とサンプル、登記申請書類までを時系列で解説する書籍の版元ページ。
「合同会社設立 登記申請書」を検索する過程で参考にしたのが、GVA法人登記による、合同会社の設立登記のオンライン申請方法の解説記事。
vs-group.jp
合同会社の代表社員とは?肩書きの一覧表から業務執行社員との違いまで
「合同会社設立 登記申請書」というキーワードとあわせて見つけたのが、代表社員が名乗れる肩書きの選択肢と、業務執行社員との権限の違いを一覧で整理した記事。
「合同会社設立 登記申請書」に関連する情報源として確認したのが、会社の種類ごとに本店移転登記の扱いを分けて説明している司法書士事務所のページ。
- 合同会社設立の必要書類一覧と、その作成方法を徹底解説
- 「合同会社設立 登記申請書」に関心がある人にも役立ちそうなのが、合同会社設立の必要書類一覧と作成方法を作成例つきで解説した記事。
- 起業ログ
「合同会社設立 登記申請書」に関する情報を探す中で見つけたのが、登記で必要な書類を一覧でまとめている税理士法人系の記事。
vs-group.jp「合同会社設立 登記申請書」について調べている人にも参考になりそうなのが、マネーフォワードによる、合同会社設立登記のオンライン申請手順の解説記事。
「合同会社設立 登記申請書」について調べている人にも参考になりそうなのが、事前準備から定款作成・登記申請までを図解で段階的に説明している入門書の版元ページ。
ほかに見つかったサイト
- 合同会社設立登記申請書−記載例(社員が1名のみの場合)「合同会社設立 登記申請書」について調べている人にも参考になると感じたのが、合同会社設立サポートによる、設立登記申請書の記載例(雛形)。
- 合同会社はやばい?やめとけと言われる理由やデメリット(GVA 法人登記)「合同会社設立 登記申請書」について調べている人にも参考になると感じたのが、登記手続きのサービス事業者が、合同会社への評価と実際の制度を対比して説明したページ。
- 合同会社の設立・登記に必要な書類一覧(弥生)「合同会社設立 登記申請書」に関連する情報源として確認したのが、申請書の作成における注意点もあわせて解説している記事。
- 「合同会社設立時」に【必要な書類】と【その書き方】について「合同会社設立 登記申請書」に関する情報を探す中で見つけたのが、税理士事務所による、合同会社設立登記申請書を含む必要書類の書き方の解説記事。
- 合同会社の本店移転登記(会社の住所変更)の必要書類・登記費用「合同会社設立 登記申請書」というキーワードとあわせて見つけたのが、合同会社に絞って、住所変更の登記に必要な書類と費用を説明したページ。
- 法人口座開設をご検討の方のよくあるご質問(GMOあおぞらネット銀行)「合同会社設立 登記申請書」に関する情報を探す中で見つけたのが、設立直後や登記中の申し込みについて、提供元自身が答えている質問集。
- 商業登記の登記申請期限とは?(GVA 法人登記)「合同会社設立 登記申請書」というキーワードとあわせて見つけたのが、登記事項ごとの申請期限を一覧で整理していて、設立後の管理に使いやすいページ。
- 合同会社の本店移転とは?管轄内・管轄外手続きや必要書類、費用(マネーフォワード)「合同会社設立 登記申請書」を検討している人にも読んでほしいのが、設立後に本店を移すときの手続きと費用を、管轄をまたぐ場合と分けて説明した解説。
※ 掲載順は評価や優劣を示すものではありません。同じサイトばかりが同じ位置に並ばないよう、ページごとに並び順と組み合わせを変えて表示しています。
この記事は、合同会社の設立を自分で進める人の役に立ちましたか?


