合同会社設立の費用を自分で払うときの順番|定款・印鑑・登録免許税・証明書を「いつ・いくら」で整理(実費約6万3千円の例つき)

合同会社設立の費用を自分で払う順番:四つの段階に分けて考える
自分で合同会社を設立するとき、費用は一度にまとめて払うわけではありません。大まかに分けると、①定款を作るとき、②印鑑を作って個人の印鑑証明書を取るとき、③法務局に登記を申請する日、④登記が終わったあと、の四つの段階で出ていきます。このうち金額が大きいのは③の登録免許税で、紙の定款を選んだ場合だけ①の印紙代がこれに次ぎます。
株式会社なら、①の段階で公証役場に定款認証の手数料を払いますが、合同会社にはこの支払いがありません。法務省の「合同会社の設立手続について」では、合同会社の定款は公証人の認証を受ける必要がないとされています(2026年10月17日に確認)。自分で設立する場合、最初の大きな支払いが登記申請の日まで来ない、というのが合同会社の費用の流れの特徴です。
私の場合は、定款を freee の会社設立サービスで作って電子定款にし、司法書士にも頼まなかったので、実費は登録免許税6万円に印鑑・証明書などを加えて約6万3千円でした。この金額も、四つの段階に分けて払ったものの合計です。費用の総額や、司法書士・行政書士に頼んだ場合との比較は、親テーマの記事にまとめています。
- ①定款の作成時:紙なら収入印紙4万円、電子定款なら印紙は不要
- ②申請の準備:会社の印鑑の作成代、代表社員個人の印鑑証明書の手数料
- ③登記の申請日:登録免許税(資本金の1000分の7、最低6万円)
- ④登記の完了後:登記事項証明書・会社の印鑑証明書の手数料


段階①定款を作るときの費用:紙の定款の印紙4万円と、電子定款にする場合
最初に費用が決まるのは、定款を紙で作るか電子定款にするかを選んだときです。国税庁のNo.7141「印紙税額の一覧表(その2)」では、第6号文書の定款は1通4万円で、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社・相互会社の設立のときに作成される定款の原本に限るとされています(令和8年4月1日現在法令等。2026年10月17日に確認)。紙で原本を作るなら、その1通に4万円の収入印紙を貼ります。
支払う時期は、定款に社員が記名押印して原本ができあがるときです。合同会社の定款は公証役場に持っていかないので、印紙を貼って消印をするところまで、自分で済ませることになります。収入印紙は郵便局などで買えますが、4万円分を現金で用意する必要があるため、印紙代を払うかどうかで、この段階の出費は0円か4万円かに分かれます。
電子定款にすれば紙の原本がないので、印紙は要りません。代わりに、自分で電子署名を付けるなら、マイナンバーカードの電子証明書を読み取る機器や署名用のソフトなど、準備の手間と出費が別に生じることがあります。設立サービスで電子定款を作る方法もあり、私はこの方法を使ったので印紙代はかかっていません。自分で設立する場合、印紙4万円を払うか、電子定款の準備に手間をかけるかが、最初の選択になります。


出典:国税庁:No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで
段階②印鑑と代表社員の印鑑証明書:自分で設立する前に払う小さな費用
登記を申請する前に、会社の印鑑を作り、法務局に届け出る準備をします。法務局の「印鑑届・印鑑カード・証明書」の手続案内では、印鑑(改印)届には市区町村長作成の印鑑証明書が必要とされています(2026年10月17日に確認)。書面で申請するなら、代表社員個人の印鑑証明書を住んでいる市区町村で取り、その手数料を払うことになります。手数料の額は自治体ごとに決まっているので、住所地の案内で確かめてください。
会社の印鑑の作成代は、材質や本数、注文する店によって大きく変わるため、決まった相場はありません。代表者印だけを作るのか、銀行印や角印も一緒に作るのかで、この段階の出費が変わります。合同会社の設立で法務局に届け出るのは代表社員の印鑑なので、ほかの印鑑は、必要になった時点で作るという考え方もあります。
注意したいのは、個人の印鑑証明書は作成後3か月以内のものが求められる点です。早く取りすぎると、準備が延びたときに取り直しの手数料がかかります。私も期限が気になって、申請の直前に取り直しました。この段階の費用は、印鑑の選び方と、印鑑証明書を何回取るかで大きく上下します。


出典:法務局:登記事項証明書・印鑑証明書の交付、印鑑の届出などの手続
4段階③登記の申請日に払う登録免許税:6万円を収入印紙で納める
合同会社設立の費用で最も大きい登録免許税は、登記を申請する日に納めます。国税庁のNo.7191「登録免許税の税額表」では、合同会社の設立の登記は資本金の額の1000分の7で、6万円に満たないときは申請件数1件につき6万円とされています(令和8年4月1日現在法令等。2026年10月17日に確認)。資本金がおよそ857万円以下なら、払うのは6万円です。
書面で申請する場合の納め方は、法務局が公開している合同会社設立登記申請書の記載例に書かれています。100円未満の端数は切り捨て、収入印紙または領収証書で納付し、収入印紙は収入印紙貼付台紙に貼ります。台紙には「割印をしないで貼ってください」と注記され、消印は法務局側の作業として、印紙を右側に寄せて貼るよう案内されています。申請書と台紙が複数ページになるときは、つづり目に契印が必要です。
私の場合は、資本金100万円で計算上は7,000円でしたが、最低額の6万円を納めることになり、本店所在地を管轄する法務局の窓口に持参して申請しました。補正の連絡はなく、約1週間で登記が完了しています。自分で設立する場合、申請の日には6万円がまとまって出ていくので、資本金の払込みとは別に、このお金を手元に残しておく必要があります。


段階④登記が終わったあとの費用:登記事項証明書と会社の印鑑証明書
登記が完了すると、銀行口座の開設や、税務署・年金事務所などへの届出、取引先との契約で、会社の登記事項証明書や印鑑証明書を求められることがあります。法務省の「登記手数料について」では、令和7年4月1日からの手数料として、登記事項証明書は書面請求で600円、オンライン請求・送付で520円、オンライン請求・窓口交付で490円、印鑑証明書は書面請求で500円、オンライン請求・送付で450円、オンライン請求・窓口交付で420円とされています(2026年10月17日に確認)。
会社の印鑑証明書を請求するには、法務局で交付を受ける印鑑カードを出す必要があり、郵送で請求する場合も印鑑カードの提出が要ると案内されています。登記が終わったら、まず印鑑カードの交付申請をしておくと、その後の証明書の請求がスムーズです。登記事項証明書と印鑑証明書は、どこの登記所でも他の登記所の管轄の会社の分を取れます。
この段階の費用は、何通取るかで決まります。提出先ごとに原本が必要か写しでよいかを確かめ、必要な通数だけ取れば、1通あたり数百円の出費を重ねずに済みます。冒頭の約6万3千円も、こうした手数料を含めた額です。
もう一つ気をつけたいのは、手数料の額が改定されることです。法務局の手続案内にも「令和7年4月1日から、手数料が変わりました」と書かれています。それより前に書かれた解説記事や本では、改定前の額が載っていることがあり、その額で収入印紙を用意すると窓口で足りなくなります。合同会社を自分で設立する準備で本やネットの金額を参考にするときは、書かれた時期を確かめ、払う直前に法務省の手数料のページで最新の額を見ておくと確実です。


つまずきやすい所①:資本金の払込みと設立費用を同じ財布で考えてしまう
自分で合同会社を設立するときに混ざりやすいのが、資本金と費用です。資本金は会社の事業に使うお金で、登録免許税のように国に納めて消えるお金ではありません。ただ、どちらも登記の申請より前に、代表社員の手元から出ていく点は同じです。資本金の払込みは定款を作ったあと、登記の申請より前に行い、その記録を払込みを証する書面に綴じます。私の場合は代表社員個人の口座に振り込み、通帳の写しを綴じました。
資本金の額は、登録免許税にも関わります。国税庁のNo.7191の計算では、資本金がおよそ857万円を超えると、登録免許税が6万円より増えます。資本金を大きくすれば信用につながると考えて額を決めると、申請の日に払う税金も増えることを見落としがちです。
もう一つ見落としやすいのが、設立前に代表社員が立て替えた費用の記録です。印紙、印鑑、証明書の手数料は、会社ができる前に個人のお金で払うことになります。領収書やレシートを、何の費用か分かるように残しておくと、設立後に会社の帳簿へ載せるときに困りません。自分で設立する場合は、払った人も記録する人も自分なので、ここで手を抜かないことが後の手間を減らします。


つまずきやすい所②:オンラインで申請すると、費用を払うタイミングが変わる
法務局の窓口に書面を持参する方法と、オンラインで申請する方法とでは、登録免許税の払い方が違います。法務省の「一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!」のページでは、一人株式会社と一人合同会社は、公的個人認証サービスの電子証明書で電子署名を付ければ、添付書面も含めて完全にオンラインで申請でき、法務局への持参が不要と案内されています。登録免許税は、申請後に「納付のお知らせ」を確認してから、インターネットバンキングなどで納付する流れです(2026年10月17日に確認)。
書面なら申請の日までに収入印紙を買っておく必要がありますが、オンラインなら申請のあとで納付します。どちらでも金額は同じですが、印紙を買いに行く手間がなくなる代わりに、申請のあとに納付の手続きが残ります。オンラインで申請するときは、申請の直後に納付の時間を確保しておくと、うっかり後回しにせずに済みます。
私は窓口に持参して申請したので、オンラインの納付は経験していません。ここは法務省の案内にもとづく説明です。オンライン申請は、電子証明書や機器の準備ができていれば、窓口に出向く交通費と時間を省けます。自分で合同会社を設立する場合、どちらの方法で申請するかによって、費用の払い方の段取りを組み替える必要があります。


出典:法務省:一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!
判断が必要な所:自分で払う費用と、頼んだ場合に加わる報酬をどう比べるか
ここまでの費用は、自分で設立しても専門家に頼んでも、基本的に同じようにかかります。頼んだ場合に加わるのは報酬です。日本司法書士会連合会の「司法書士の報酬」のページでは、司法書士の報酬は各司法書士が自由に定めることになっており、額や算定方法・諸費用を明示し、依頼者との合意によって決めるとされています(2026年10月17日に確認)。つまり、決まった金額はなく、見積もりで比べるしかありません。
比べるときは、報酬と、自分が使う時間を並べてください。私の場合は、基本事項の検討に約2週間、書類の準備に約1週間かかりました。設立前に解説書を5冊読んでいます。この時間を本業に使ったほうがよい人もいれば、合同会社の仕組みを自分で理解しておきたい人もいます。費用の差額だけでは、どちらが得かは決まりません。
また、資本金の額、決算月、役員報酬など、手続きではなく判断が必要な項目は、自分で設立しても専門家に相談する価値が残ります。登記の手続きは自分でやり、判断だけを相談する、という分け方もあります。どこまでを自分の費用と時間でまかなうかは、事業の状況によって変わるため、一律には決められません。


9まとめ:合同会社設立の費用を自分で払う場合と、専門家に頼む場合を並べる
合同会社を自分で設立する場合の費用は、定款の作成時(紙なら印紙4万円、電子定款なら不要)、申請の準備(印鑑の作成代と個人の印鑑証明書)、登記の申請日(登録免許税、資本金約857万円以下なら6万円)、登記の完了後(登記事項証明書600円・会社の印鑑証明書500円など、書面請求の場合)の順に出ていきます。書面で申請するなら収入印紙を申請の日までに用意し、オンラインなら申請後に電子納付します。
自分でやる場合は、報酬がかからない代わりに、支払いの段取り、書類の作成、法務局とのやり取りを自分で引き受けます。参考までに、電子定款にして司法書士に頼まず窓口で申請した私の場合は、実費が約6万3千円でした。専門家に頼む場合は報酬が加わりますが、手続きの時間を減らせ、判断が必要な項目も相談できます。どちらが合うかは、使える時間と相談したい内容で変わるため、断定はできません。
当サイトでは、判断が必要な部分を相談したい人向けに、会計事務所SoVaの「士業伴走プラン」を紹介しています。設立サポート手数料は0円ですが、設立後の顧問契約(月1.5万円〜)が前提です。遷移先のページには「自分でやるより最大14.5万円お得」という比較も載っていますが、この数字の出典は遷移先のサービスページで、顧問契約を結ぶことが条件です。最新の料金と条件は必ず公式ページで確認してください。


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