合同会社設立で就任承諾書が要らなかった理由と、必要になるケースを調べた記録

就任承諾書とは何か
就任承諾書とは、会社の役員や代表者になる人が「その役職に就くことを承諾します」という意思を示す書類です。株式会社の取締役就任などでもよく使われますが、合同会社の設立でも、場合によってはこの書類が必要になります。
合同会社では、代表社員になる人が就任を承諾したことを示すために、定款とは別に就任承諾書を用意することがあります。ただし、この「場合によっては」という部分が、自分で調べる人にとって分かりにくいポイントだと私は感じました。法務局に提出する添付書類の一覧を見ても、就任承諾書という名前だけが並んでいて、どんな条件のときに必要になるのかまでは書かれていないことが多く、自分で背景まで調べる必要がありました。株式会社の取締役就任承諾書についての解説は数多く見つかる一方、合同会社の代表社員に関する説明は情報量が少なく、探すのに時間がかかりました。
私が自分で合同会社を設立したときは、社員が1名で、その1名がそのまま代表社員になる体制だったため、結論から言うと就任承諾書は不要でした。次の章から、なぜ不要だったのか、そしてどんな場合に必要になるのかを、自分で調べた内容として紹介していきます。合同会社の設立を自分で進める人にとって、この就任承諾書の要否は、必要書類のリストを作る最初の段階でつまずきやすいポイントの一つだと感じています。


出典:法務局:合同会社設立登記申請書(代表社員が法人の場合)
私の場合:社員1名だったため就任承諾書は不要だった
私が合同会社を自分で設立したときは、社員(出資者)が1名で、定款の中でその社員をそのまま代表社員として直接定める形にしました。社員が1名の場合、その社員=業務執行社員=代表社員となるため、あらためて代表社員への就任を承諾する書類を別途用意する必要がなかったのです。振り返ってみると、この体制のシンプルさが、就任承諾書だけでなく他の書類作成の負担も軽くしていたと感じています。
この判断は、私自身の解釈ではなく、法務局に提出する登記申請書類を準備する過程で、定款に代表社員を直接記載する形式を選んだことによるものです。定款の中で誰が代表社員であるかが明確になっていれば、それとは別に就任承諾の意思を示す書類を重ねて用意する必要がない、という理解のもとで進めました。
合同会社の設立を自分で進める人で、社員が自分一人だけという体制であれば、就任承諾書について過度に心配する必要はないケースが多いと思います。ただし、これはあくまで私の体制での話であり、次の章で紹介する条件に当てはまる場合は、話が変わってきます。私も最初は就任承諾書が必要だと思い込み、書式を探し始めていたのですが、法務局の書類様式を自分で確認していく中で、自分のケースでは不要だと気づきました。


就任承諾書が必要になるケース:業務執行社員が複数いる場合
私は該当しなかったため実体験はありませんが、制度上はこうなっている、という前提で紹介します。業務執行社員が2名以上いて、その中から代表社員を選ぶという体制を取る合同会社の場合、選ばれた代表社員の就任承諾書が登記申請の添付書類として必要になります。複数人で合同会社を設立する場合は、この就任承諾書の作成も見込んでスケジュールを組む必要があります。
これは、定款の中で代表社員の氏名までは特定されておらず、社員間の互選などによって代表社員を決定する形式を取っているためです。定款に書かれていない事実(誰が代表社員に選ばれたか)を証明する書類として、就任承諾書が必要になると理解しています。
合同会社の設立を自分で進める場合でも、社員が複数いて、代表社員を後から選ぶ体制にする予定がある人は、この就任承諾書の準備が必要になる可能性が高いです。定款の記載方法によって必要書類が変わるという点は、合同会社の設立準備の中でも見落としやすいポイントだと感じています。就任承諾書には、就任を承諾する日付や、承諾する本人の署名・押印が必要になるとされており、代表社員に選ばれた本人が作成する書類だという位置づけです。


出典:法務局:合同会社設立登記申請書(代表社員が法人の場合)
自分の会社がどちらに当てはまるか確認する方法
自分の会社が就任承諾書が必要な体制かどうかは、定款の記載内容を確認することで判断できます。定款の中で「〇〇を代表社員とする」というように、代表社員の氏名が直接書かれていれば、就任承諾書は不要になるケースが多いです。
一方、定款に「業務執行社員の互選により代表社員を定める」といった条文がある場合は、実際に誰を代表社員に選んだかを証明する就任承諾書が必要になります。私は、定款を作成する段階でこの点を意識し、社員が1名だったこともあって、代表社員を定款に直接記載する形式を選びました。この選択によって、就任承諾書という追加の書類を1枚減らせたことは、自分で書類をそろえる立場からすると地味にありがたいことでした。準備する書類が1枚減るだけでも、自分で進める心理的な負担はかなり軽くなると実感しました。
合同会社の設立を自分で進める人には、就任承諾書が必要かどうかで迷ったら、まず自分の定款の代表社員に関する条文がどちらの書き方になっているかを確認することをおすすめします。迷う場合は、法務局の窓口や相談窓口で確認するのも一つの方法です。私は、定款の作成段階で司法書士に一度だけ内容を確認してもらい、代表社員の記載方法についても問題がないことを確認しました。この確認を経たことで、登記申請の直前に不安を抱えずに済みました。

つまずいた点:本によって「必要」「不要」の説明が食い違っていた
自分で就任承諾書について調べる中で一番つまずいたのは、本やサイトによって「合同会社の設立には就任承諾書が必要」と書かれていたり、「合同会社では就任承諾書は不要」と書かれていたりして、説明が食い違っていたことです。
あとから分かったのは、どちらの説明も間違いではなく、前提としている社員の体制が違っていたということでした。社員1名の一般的なケースを想定した記事は「不要」と書き、複数の業務執行社員がいるケースを想定した記事は「必要」と書いていたのだと理解しています。
この経験から、合同会社に関する情報を自分で調べる際は、その記事がどんな体制(社員の人数や代表社員の決め方)を前提にしているのかを意識しながら読むことが大切だと感じました。特定の本や著者を批判するつもりはありませんが、合同会社は株式会社に比べて体制のバリエーションが記事に反映されにくい分野だと感じています。私が読んだ本の中にも、株式会社の役員就任の説明をそのまま合同会社に当てはめているように見えるものがあり、読み比べる際は注意が必要だと感じました。

社員の人数や体制は、自分で判断して決める領域
就任承諾書の要否は定款の書き方で変わりますが、そもそも社員を何人にするか、代表社員をどう決めるかという体制そのものは、私の実体験の外にある判断です。私は該当しなかったため実体験はありませんが、社員が複数いる合同会社では、出資割合や意思決定のルールをどう定めるかによって、後々のトラブルの起きやすさが変わってくるとされています。私が自分で調べた範囲では、社員間のルールをあらかじめ定款や覚書で細かく定めておくことが、複数社員の合同会社では特に重視されているようでした。
合同会社は、株式会社の取締役のような任期の定めがなく、社員間の合意によって柔軟に運営できる分、逆に言えば社員間のルール作りを社員同士でしっかり詰めておく必要がある会社形態です。社員を複数にするかどうかを検討している人は、この点を定款の作成段階から意識しておくとよいと思います。決算公告の義務がないことも含めて、合同会社は運営面での自由度が高い分、その自由度を支えるルール作りの責任も社員自身が負うことになる、という構造だと理解しています。
私の経験の範囲で言えるのは、社員1名というシンプルな体制であれば、就任承諾書を含めた書類の準備は比較的少なく済むということです。体制を複雑にするかどうかは、事業の性質や、将来的に社員を増やす計画があるかどうかを踏まえて、自分で判断する領域だと考えています。私も、将来的に事業のパートナーを社員として迎える可能性がまったくないわけではありませんが、設立の段階ではまず自分一人でシンプルに始めることを選びました。

まとめ:就任承諾書の要否は、定款の書き方で決まる
合同会社の設立で就任承諾書が必要かどうかは、社員が1名で定款に代表社員を直接記載する体制なのか、業務執行社員が複数いて互選で代表社員を選ぶ体制なのかによって決まります。自分の場合は前者だったため、就任承諾書は不要でした。
自分の会社がどちらに当てはまるかは、定款の代表社員に関する条文を確認すれば判断できます。合同会社の設立を自分で進める人は、この記事を参考に、まず自分の体制を確認してみてください。
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この記事が、合同会社の設立に向けて就任承諾書の要否を自分で確認しようとしている人の、判断材料になれば幸いです。書類の要否は体制によって変わるという前提を知っているだけでも、自分で調べる際の混乱をかなり減らせるはずです。私も、この前提を理解してからは、必要書類のリストを一つひとつ自信を持って確認できるようになりました。

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