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freee会社設立 デメリット 2025年4月に自分で設立した記録

freee会社設立が無料で使える仕組みと、設立が終わったあとに残るもの|デメリットは費用の外側にある

公開日:2026-09-03 更新日:2026-09-28 読了目安:18分 本文:8,625字 執筆:合同会社commit 編集部
この記事は、freee会社設立のような無料のツールで合同会社を作ろうとしていて、なぜ無料で使えるのか、その先に何かあるのではないかと気にしている人に向けて書いています。2025年4月、当編集部はfreeeを使って合同会社の設立書類を作り、登記まで自分で進めました。使ってみて分かったのは、このカテゴリーで語られるべきデメリットは、設立のときにかかる費用の話ではなく、設立が終わったあとに何が残るのかという話だということです。同じカテゴリーの1本目では「無料」の範囲と法定費用を、2本目では入力画面のつまずきと無料プラン・有料プランの違いを扱っているので、この記事は設立後に視点を移したものです。

手順:なぜ設立の書類作成が無料なのかを確認した

会社設立の書類を作るツールが無料で使えると聞いたとき、私が最初に考えたのは、なぜ無料で成り立つのかという点でした。書類作成そのものは価値のある作業なので、それをただで提供するには理由があるはずです。

調べてみると、この形が成り立つ理由は分かりやすいものでした。会社設立ツールを提供している事業者は、もともと会計ソフトを本業としています。設立の段階でサービスに触れてもらい、そのあと会計や人事労務といった有料のサービスを使ってもらう、という組み立てです。

つまり、設立ツールは入口として位置づけられています。設立は一度きりの出来事ですが、会計は会社が続く限り毎年発生します。長く続くほうで対価を得る仕組みなので、入口の部分を無料にできる、という構造です。

この構造を理解しておくと、ツールの作りにも納得がいきます。設立時に入力した会社の情報は、そのまま会計側で使える形になっています。利用者にとっては入力の手間が減りますし、事業者にとってはそのまま使い続けてもらう理由になります。

この仕組みそのものは、批判すべきものではないと考えています。むしろ、無料の理由がはっきりしているほうが判断しやすい。問題になるのは、この構造を知らないまま設立を終えて、なんとなく次のサービスに進んでしまう場合です。

また、合同会社を選んだ場合はこの構造がやや強く効きます。合同会社は株式会社に比べて設立の工程が少なく、定款の公証人認証もないため、ツールが担う書類作成の比重が相対的に大きくなるからです。工程が短いぶん、あっという間に次の段階へ進むことになります。

合同会社の設立を自分でやると決めた人ほど、この速さは歓迎したくなるはずです。私もそうでした。ただ、速く終わることと、次の判断まで一緒に流れてしまうことは別に考えたほうがよいというのが、使い終えたあとの実感です。

設立は入口、会計は毎年続く
長く続くほうで対価を得る仕組みなので、入口を無料にできます。
発生の頻度が違う

手順:設立が終わった時点で何が手元に残るかを確かめた

設立の書類作成が終わった段階で、私は何が自分の手元に残っているのかを確かめました。ツールを使ったからといって、それで会社の記録が全部そこに保管されるわけではありません。

手元に残ったのは、印刷して提出した書類の控えと、その内容です。定款も、登記申請書も、提出したものと同じ内容を自分で保管しています。ツールの中にデータがあるかどうかとは別に、紙とファイルで持っている状態を作りました。

これを意識したのは、将来ツールを使わなくなる可能性があると考えたからです。会計ソフトを別の事業者のものに変える、あるいは税理士に任せるという選択肢はいつでもありえます。そのときに、設立時の書類が自分の手元にないと困ります。

合同会社の設立を自分で進めるなら、この保管は自分の仕事として残ります。ツールは書類を作ってくれますが、それを何年も自分の代わりに持っていてくれるものだと考えないほうが安全です。

自分は、設立に関する書類を一式まとめて、紙とデータの両方で保管しています。定款は設立後に見直したくなる場面がありますし、登記の書類は変更登記のときに参照する可能性があります。作った直後に整理しておくのが、いちばん手間がかかりません。

合同会社の場合、定款は設立後も使い続ける書類です。株式会社と違って役員の任期がなく、定期的な登記の機会がないため、定款を開く場面は自分から作るしかありません。手元にすぐ出せる形で置いておくと、必要になったときに探さずに済みます。

あわせて、設立時に何を決めたのかという理由も一緒に残しました。ツールは入力の結果を保持しますが、なぜそう入力したのかは残りません。合同会社は定款で決められる範囲が広いぶん、その理由が分からなくなると、あとで見直す判断ができなくなります。

設立後に自分で保管したもの

手順:設立の次に来る判断を、ツールの外で整理した

設立が終わったあと、すぐに続くのが税務署などへの届出です。ここから先は、ツールが書類を作ってくれる範囲を超えて、自分で決める判断が並びます。

具体的には、役員報酬をいくらにするか、青色申告の承認申請をいつ出すか、会計をどう記録していくかといった項目です。国税庁の案内によれば、青色申告の承認申請は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日までに提出することとされています。

こうした期限は、ツールの画面に現れるものではありません。私は、設立の書類ができた段階で一度ツールから離れて、期限のある手続きを紙に書き出しました。ツールの中だけで進めていると、その外にある期限が見えなくなります。

この整理をしておくと、次に何を選ぶかという判断にも余裕が生まれます。会計ソフトをどうするか、税理士に相談するかどうかを、期限に追われながら決めるのではなく、見通しを持ったうえで決められるからです。

書き出してみると、設立の書類作成にかかった時間より、その後の判断に必要な検討時間のほうが長いことが分かりました。ツールが短縮してくれたのは前者だけです。合同会社の設立を自分で進める場合、後者の時間は自分で確保するしかありません。

この配分を知らないと、書類ができた時点で「もう終わった」と感じてしまいます。私も一度その感覚になりました。実際には、そこからが判断の始まりだったというのが正直なところです。

期限はツールの画面に出てこない
書類ができた段階で一度離れて、期限を紙に書き出しました。

4 つまずき:無料の範囲がどこまでかを、途中まで誤解していた

使い始めた時点で、私は書類作成から提出まですべてが無料で完結すると思っていました。実際には、登録免許税のような法定の費用は当然かかりますし、電子定款に関わる部分にも別の扱いがあります。

この誤解は、同じカテゴリーの1本目でも書いたとおりです。ただ、あらためて振り返ると、誤解の原因は説明の不足というより、私が「無料」という言葉をどこまでの範囲だと受け取ったかの問題でした。ツール側が無料にできるのは、ツールが提供している部分だけです。

税として納めるものを事業者が肩代わりできるはずはありません。当たり前のことなのですが、無料という言葉を見た瞬間に、その当たり前が意識から抜けます。ここは自分の受け取り方の問題として反省しています。

同種のサービスを比べる場合も、この点は共通の落とし穴になります。どのサービスでも、法定費用は利用者が負担します。比べるべきなのは法定費用の外側にある部分で、そこに何が含まれるかがサービスごとに違うという構造です。

合同会社の場合、法定費用の内訳そのものは単純です。登録免許税と、紙の定款にするなら印紙税。公証人の認証がないため、株式会社にある認証手数料の行がありません。比べる前にこの内訳を自分で書き出しておくと、各サービスの説明を読むときに何が追加なのかがすぐ分かります。

法定費用はどのサービスでも利用者が負担する
比べるべきなのは、その外側にある部分です。
合同会社の設立でかかる法定費用(電子定款の場合)

つまずき:合同会社を選んだ人向けの案内が薄いと感じた

ツールを使っていて物足りなさを感じたのが、合同会社を選んだあとの案内でした。会社の種類を選ぶところまでは丁寧なのですが、そのあとの説明は株式会社と共通のものが多く、合同会社に固有の事情が補われている場面は多くありませんでした。

例えば、合同会社には定款の公証人認証がありません。この違いは手続きの工程が1つ減ることを意味しますが、そのことが強調されているわけではありませんでした。私は自分で調べてこの違いを把握していたので進めましたが、知らずに使っていたら株式会社と同じ工程を探していたと思います。

代表社員や業務執行社員といった呼称についても同様です。入力欄には正しく反映されるものの、それが株式会社の取締役とどう違うのかまでは画面に書かれていません。合同会社は出資と経営が分離しない構造なので、この違いは呼び方だけの問題ではありません。

ただ、これはツールの欠陥というより、合同会社を扱う情報が世の中全体で少ないことの反映だと感じています。同じ状況は書籍でも解説サイトでも起きていて、株式会社を主に扱う中で合同会社が補足として置かれる形が一般的です。

対処としては、ツールを使う前に合同会社の仕組みを一度おさえておくのが現実的でした。定款認証が不要であること、代表社員という呼称であること、出資と経営が分離しないこと。この3点を知っているだけで、画面の設問が何を聞いているのかが分かるようになります。

逆に、合同会社の基礎を知らないままツールに入ると、設問の意味が分からないまま選ぶことになります。それでも書類はできてしまうのが、このカテゴリーで注意したい部分です。合同会社の設立を自分でやるなら、ここは飛ばさないほうがよいと思います。

合同会社固有の説明までは画面にない
認証が不要なこと、呼称の違いは自分で把握しておく必要がありました。

つまずき:次のサービスを選ぶ判断が、流れの中に組み込まれている

このカテゴリーで書いておくべきデメリットがあるとすれば、これだと思っています。設立の書類ができたあと、そのまま会計サービスへ進む導線が用意されているため、比較検討をしないまま次に進みやすいという点です。

設立の情報がそのまま引き継がれるので、続けて使うほうが手間は少なくなります。この利便性は本物ですが、同時に、他の選択肢を検討する機会を通り過ぎることにもなります。何かを強制されるわけではないぶん、意識していないと気づきません。

私は、設立の書類が完成した段階で一度立ち止まりました。会計をどうするかは設立とは別の判断なので、その場で決めずに、期限のある手続きを片づけてから改めて考えるという順番にしています。

なお、私が実際に使ったのは設立の書類作成の部分までです。その先の会計サービスの使い勝手については経験がないため、この記事では扱っていません。ここは公開されている情報から構造を説明しているにとどまります。

合同会社の設立を自分でやると決めた人であれば、この立ち止まりは自然にできるはずです。自分でやると決めた時点で、各工程を自分で選ぶ姿勢はすでにあるからです。

立ち止まる方法として役に立ったのは、設立の完了を1つの区切りとして明示的に扱うことでした。書類を保管し、期限を書き出し、そこまでを終わらせてから次の話に移る。順番を決めておくだけで、流れに乗ったまま進むことは避けられます。

設立と会計は別の判断
書類が完成した段階で一度立ち止まる、という順番にしました。

限界:仕組みも料金も変わるため、その時点での確認が必要

この記事で書いた仕組みは、自分が2025年に使ったときの状況と、公開されている情報にもとづくものです。サービスの機能、無料の範囲、料金プランはいずれも変更されることがあります。

同種のサービスを提供している事業者は他にもあり、それぞれ無料の範囲の設定が違います。電子定款の作成費用の扱いひとつ取っても、有償プランを契約している場合と、していない場合で変わるという案内をしている事業者もあります。比べる際は、各社の公式ページでその時点の条件をご確認ください。

あわせて断っておくと、当編集部の会社は社員が代表1名だけで、出資も現金のみです。人数が増える場合や現物での出資がある場合にツールがどこまで面倒を見てくれるのかは試していません。条件が込み入るほど、ツールの手が届かない領域は広がるはずです。

同じ理由で、設立後に社員を追加する場合や、合同会社から株式会社へ組織を変更する場合にツールがどう関わるのかも分かりません。自分の実体験は設立からおよそ1年の範囲に限られるため、それ以降の運営については書いていません。

この記事に書いた税額は2026年9月3日時点で国税庁の案内を確認したものです。税額も改正されることがあるため、実際に手続きを進める際は、その時点の税額表をご自身で確認してください。

無料の範囲は事業者ごとに違う
比べる際は、各社の公式ページでその時点の条件を確認してください。

まとめ:デメリットは費用ではなく、設立後の選び方に出る

会社設立ツールが無料で使えるのは、事業者にとって設立が入口だからです。設立は原則として一度きりですが、会計は会社が続く限り毎年発生します。長く続くほうで対価を得る仕組みなので、入口を無料にできる。この構造を理解しておくと、判断がしやすくなります。

そのうえで、このカテゴリーで挙げるべきデメリットは費用の話ではないと考えています。法定費用はどのサービスを使っても利用者が負担しますし、それは当然のことです。実際に効いてくるのは、設立の書類ができたあと、そのまま次のサービスへ進む導線が用意されていて、比較検討をしないまま先へ行きやすいという点です。

私は書類が完成した段階で一度ツールから離れ、期限のある手続きを紙に書き出しました。青色申告の承認申請なら、設立日から3か月を過ぎた日か、第1期の事業年度が終わる日か、先に来るほうの前日が締め切りです。この種の期限はツールの画面に現れないので、外側で管理するしかありません。

あわせてやっておくとよいのが、設立の書類を自分の手元に保管しておくことです。定款も登記の書類も、あとで参照する場面があります。ツールが何年も代わりに持っていてくれるものだと考えないほうが安全です。当サイトでは、この設立後の判断を相談できる相手を探している人向けに、会計事務所SoVaの「士業伴走プラン」を紹介しています。設立サポート手数料は0円ですが、設立後の顧問契約(月1.5万円〜)が前提となる仕組みです。遷移先のページには「自分でやるより最大14.5万円お得」という比較も掲載されていますが、この数字の出典は遷移先のサービスページであり、顧問契約が前提であることとあわせて、最新の料金・条件は必ず公式ページでご確認ください。

なお、自分が実際に使ったのは設立の書類作成までで、その先の会計サービスの使い勝手は経験していません。サービスの仕様や料金は変わることがあるため、実際に選ぶ際は各社の公式ページでその時点の条件をご確認ください。

設立の書類ができたらやること
無料で使えるツールには、無料で成り立つ理由があります。理由を理解したうえで使えば、設立のあとに何を選ぶかは自分で決められます。この記事が、合同会社の設立を自分で進めながらツールとの距離を測ろうとしているあなたの参考になれば幸いです。

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合同会社commit 編集部

2025年4月に合同会社を設立した際の、実際の手続き・提出書類・支払った費用の記録をもとに編集しています。実体験の範囲は「金銭出資のみ・代表社員1名」の設立です。この範囲の外にあたる内容は、体験談ではなく一次情報にもとづく解説として、その旨を明記して書き分けています。運営:合同会社commit

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