合同会社は節税になるのか、自分たちの実体験と制度を切り分けて整理した記録

私たちが検討した「個人事業主のままか法人化か」の判断軸
私たちが合同会社を設立する前、個人事業主のまま続けるか、法人化するかを検討した際に重視したのは、事業の見通しと、法人化に伴う事務負担の増加をどう考えるかという2つの軸でした。節税という観点だけでなく、対外的な信用や、事業を継続していくうえでの体制づくりも含めて検討した記憶があります。
節税という言葉だけを見て法人化を決めたわけではなく、複数の解説記事や本を読み比べながら、自分たちの事業規模や利益の見通しに照らして、法人化のタイミングを考えました。この判断は、私たちの実際の事業状況にもとづくものであり、すべての人に同じ結論が当てはまるとは考えていません。
この記事では、私たちが実際に検討した判断軸を出発点にしつつ、後から詳しく調べた「合同会社が節税につながるとされる理由」について、一次情報をもとに整理していきます。節税効果の具体的な試算そのものは、税理士に相談しながら検討すべき領域だと考えています。
合同会社の設立を自分で進める人には、節税という言葉だけで判断せず、自分たちの事業規模や利益の見通し、法人化後の事務負担も含めて総合的に検討することをおすすめします。私たちも、この総合的な視点を持てたことが、後悔のない判断につながったと感じています。


合同会社が節税につながると言われる理由
解説記事を調べると、合同会社を含む法人化が節税につながるとされる理由として、法人税と所得税の税率構造の違いがよく挙げられていました。個人事業主の所得税は利益が増えるほど税率が上がる累進課税である一方、法人税の税率は一定の範囲で比較的緩やかとされており、利益が大きくなるほど法人化のほうが有利になりやすいという説明が多く見られました。
また、法人化すると代表社員自身への役員報酬を経費として計上できる点も、節税につながるとされる理由の一つとして紹介されていました。個人事業主の場合は事業主自身への給与を経費にできませんが、法人であれば役員報酬という形で所得を分散できる可能性があるという説明です。
このほか、法人が加入する社会保険料の一部を会社の経費として計上できる点や、複数年にわたって赤字を繰り越せる制度が個人事業主より有利とされる点なども、節税の理由として挙げられていました。私たちはこれらの制度を一次情報で確認しましたが、実際にどの程度の節税効果が出るかは、事業の利益水準によって大きく変わると理解しています。
合同会社の設立を自分で進める人には、こうした節税の理由を一つひとつ鵜呑みにするのではなく、自分たちの利益水準に照らして、それぞれの制度が本当に効果を持つのかを確認することをおすすめします。制度が存在することと、自分たちに効果があることは、必ずしも同じではないと私たちは考えています。

出典:国税庁:定期給与の額を改定した場合の損金不算入額(定期同額給与)
青色申告の欠損金繰越控除という制度
国税庁の案内(2026年8月確認)によれば、青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金(赤字)は、その事業年度開始の日前10年以内に開始した事業年度に生じたものであれば、各事業年度の所得の計算上、損金に算入できる(繰り越して控除できる)とされています。この制度を利用するには、欠損が生じた事業年度に青色申告をしていることと、その後継続して申告を行っていることが条件とされています。
私たちは、設立時に青色申告承認申請書を提出しており、この制度を利用できる立場にはありますが、実際に大きな欠損金が生じてこの制度を活用した経験はまだありません。そのため、この繰越控除がどの程度の節税効果を生むかについて、実体験として語ることはできず、制度の存在と仕組みを一次情報にもとづいて紹介するにとどめています。
解説記事の中には、事業が軌道に乗るまでの初期の赤字を、将来の黒字と相殺できる点を、法人化のメリットとして強調しているものもありました。私たちも、この制度があることを知ったうえで法人化を検討した経緯があり、将来的なリスクヘッジの一つとして捉えていました。
合同会社の設立を自分で進める人には、青色申告承認申請書の提出期限(設立から原則3か月以内)を必ず確認したうえで、こうした制度を活用できる状態を整えておくことをおすすめします。制度を使えるかどうかは、期限内に手続きをしているかどうかで決まります。

出典:国税庁:No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除
役員報酬による所得分散という考え方
解説記事によれば、法人化すると、代表社員自身が受け取る役員報酬に給与所得控除が適用されるため、個人事業主として同じ額の利益を得る場合よりも、税負担が軽くなる可能性があるとされています。また、家族を役員や従業員にして報酬を支払うことで、所得を分散し、世帯全体としての税負担を調整できるという考え方も紹介されていました。
ただし、役員報酬の額をいくらに設定するかは、設立後おおむね3か月以内に決定する必要があり、一度決めた金額を事業年度の途中で自由に変更することは、税務上、原則として認められていません。この定期同額給与のルールについては、私たちも別の記事で詳しく紹介しています。
私たちは、代表社員1名の体制で設立しており、家族を役員にする形での所得分散は行っていません。そのため、この所得分散という考え方について、実体験として効果を語ることはできず、制度上の考え方として紹介するにとどめています。
合同会社の設立を自分で進める人には、役員報酬の額を決める際、節税効果だけでなく、社会保険料の負担や、生活に必要な資金の見通しもあわせて検討することをおすすめします。私たちも、役員報酬の額を決める際は、節税よりも事業の資金繰りを優先して判断しました。


出典:国税庁:定期給与の額を改定した場合の損金不算入額(定期同額給与)
5つまずいた点:「節税になる」という書き方に潜む前提の違い
私たちが調べる中でつまずいたのは、「合同会社は節税になる」と断定的に書いている記事の多くが、実は「利益が一定額を超えた場合」「家族に報酬を分散できる場合」といった前提条件のもとで成り立つ話だったという点です。前提条件を読み飛ばしてしまうと、自分の状況にもあてはまると誤解してしまう可能性があると感じました。
ある記事では法人税と所得税の税率比較だけを取り上げて節税効果を強調していましたが、別の記事では社会保険料の負担増加という、節税とは逆方向に働く要素にも触れていました。この2つを両方読んで初めて、法人化には節税につながる面と負担が増える面の両方があるとバランスよく理解できました。
私たちは、この食い違いに気づいたことで、1つの記事だけを読んで判断するのではなく、複数の情報源を比較しながら、自分たちの利益水準に照らして考えることの大切さを実感しました。断定的な見出しほど、前提条件を確認する必要があると感じています。
合同会社の設立を自分で進める人には、「節税になる」と書かれた記事を読む際、その節税効果がどのような利益水準や条件を前提にしているのかを、必ず確認することをおすすめします。前提条件が自分たちの状況と異なれば、同じ効果は期待できない可能性があります。

出典:国税庁:No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき
限界:節税効果の試算は自分たちで判断しきれない
私たちは、法人税と所得税の税率構造や、役員報酬・欠損金繰越といった制度の存在は一次情報で確認できましたが、自分たちの事業の利益水準に照らして、実際にどの程度の節税効果が出るのかという具体的な試算までは、自分たちだけで正確に行うことはできませんでした。税額の計算には、社会保険料の負担増加分なども含めた総合的なシミュレーションが必要になると理解しています。
また、節税を意識した役員報酬の設定や、家族への所得分散といった判断は、私たちが実際に経験していない領域であり、どのようなケースでどの程度の効果が出るのかを、実体験として断定することはできません。制度上は可能とされていますが、個々の状況によって最適な設定は異なると考えられます。
解説記事の中には、社会保険料の負担増加や、法人住民税の均等割(赤字でも一定額を負担する制度)など、節税とは逆方向に働くコストにも触れているものがありました。私たちは、こうしたコスト面も含めた総合的な判断は、専門知識がなければ難しい領域だと感じています。
合同会社の設立を自分で進める人には、節税効果の具体的な試算については、税理士に相談し、自分たちの利益水準や事業計画にもとづいたシミュレーションを行うことをおすすめします。断定できない部分を自分たちだけで判断せず、専門家の力を借りることも一つの選択肢だと考えています。


まとめ:節税は条件次第、断定できない領域として向き合う
合同会社の設立が節税につながるかどうかは、税率構造の違いや役員報酬による所得分散、欠損金の繰越控除といった制度の存在によって、可能性としては説明できます。しかし、実際にどの程度の効果が出るかは、事業の利益水準や、社会保険料の負担増加といったコスト面も含めた総合的な判断が必要になると私たちは理解しています。
私たちは、こうした制度の存在を一次情報で確認したうえで法人化を検討しましたが、具体的な節税効果の試算までは自分たちだけで行うことはできませんでした。この記事で紹介した内容は、あくまで判断材料の一つとして活用していただければと考えています。
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この記事が、節税という切り口から合同会社の設立を検討している人の参考になれば幸いです。断定できない部分は断定せず、専門家への相談も選択肢に入れながら、自分たちの状況に合った判断をしていただきたいと考えています。

出典:国税庁
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